手作りのフロアランプ | 金子清美作品
写真は、あるカフェギャラリーのために手作りされたフロアランプで、
大型のガラス瓶の中にLED光源を仕込み、外側を特殊な紙で
くるんだだけの単純な構成ではあるが、紙のくるみ方がユニークで、
市販品にはない複雑微妙な陰影が とても柔らかで、美しい!
見る角度を変えると、微妙な表情が、大胆に、変化してゆく…
制作したのは、私のアトリエのパートナーであり、現代美術作家でも
ある金子清美さん。
売ることを目的にした量産品は、それが優れたデザインのもの
であっても、量産に適した素材の選定とか 組み立て方式とか、
最終的にはコストという条件に制約された中での可能性である。
一方、そのモノが置かれる場所の具体的な条件を読み込んで
より自由に発想すれば、現代的な魅力をもったデザインの
可能性が、思わぬかたちで姿をあらわすかもしれない…
本ホームページ Furniture のところに掲載してある
片手で軽々と持ちあげることのできる スツール moonwalk は
それが使用される住宅の住まい手が、スツールを丁寧に扱って
くれることがわかっていたので、そういうデザインが実現した
のだった。
販売された後、どういう場所に置かれ、どういう使われ方を
されるのか ―― そこに一定の幅を見込まなければならない
のが量産品であり、その場合は、当然に、強度的な面で
安全側のデザインがなされ、結果、とかくドテッとした姿の
ものになりがちである。
手づくりしたものの場合、やけに作り手の個性が強くでたり、
あるいは、どこかで見たようなコピー的なものになったり、
真に優れたデザインは めったに生まれないのも事実。
でも、そうだからといって、ハイスペックで無難な量産品に
選好意識が安易に短絡してしまうのは さびしいと思う。
写真:筆者撮影
2013年8月25日