全体美と部分間共鳴 | RINZ カフェギャラリー
まちで見かける 手書きや手作りの個性的なメニュー看板 …
きちっと作られた固定看板が、
周囲の環境のあり方との対照関係で大なり小なり視認され、
通常の雑然とした環境の中にあって、
「看板全体としての整序の力」 をデザインに生かそうとする
のに対して、
日々、掲出内容を更新できる店頭の手作り看板の方は、
見る側の眼を 部分部分の情報に向かわせる注視性を有し、
したがって、看板全体の整序美というよりも、
「親しみを感じさせる おもしろさ」 というところで、
ユニークな表現が生まれる自由さがある。
「テンポラリーな性格のもの」 の中に現われる
多様な個性のゆたかさ …
写真は、前回の文章で紹介したカフェギャラリーのメニュー看板。
埼玉県東松山市に RINZ/Bakery Cafe あ~との国
( Rinz Gallery+ を併設 ) が、今年2月にオープンした。
看板は、そこでアートディレクターを務めている金子清美さんの
手作り即興だ。
ふかふかしたパンのイメージが生かされたデザインで、
それとなく人目を惹いて、グッド …
既存の小椅子を利用して、その上にピンナップボードをのせ、
そうした制約の中で、臨機応変にボード面の構成を考える …
そこに、キッチリ決められたものには欠落しがちな
〈テンポラリーの軽やかさ〉 のようなものが漂う …
写真:金子撮影
*あ~との国は 2014年2月にRINZビルから移転しました。
2013年8月27日